19世紀ギターとチューニング

 2月28日
 玉川上水のステッチで行われた長谷川郁夫先生と富川勝智さんによる「19世紀オリジナルギターによるDUOコンサート~ベートーヴェンへの憧れ~」というコンサートに行った。
 19世紀当時のオリジナル楽器にガット弦(羊の腸を捻って固めた弦)を張っての演奏。長谷川先生は爪を使わない、指頭奏法
 味わいのあるやわらかい音色が、ステッチの小さな空間にやさしく響き、心地よい時間を過ごすことができた。
 このような演奏は、めったに聞けるものではない、とのこと。19世紀の音楽とギターについての話も興味深かった。

 さてここからは前回のチューニングの話の続きになる。
 今回の演奏でも、チューニングは演奏の合間に必ず行っていたが、例のギター用のチューナーは使っていなかったようだ。
 不均一なガット弦とフレットが微妙にずれていることから、チューニングは難しいとのこと。開放弦だけを合わせるギター用のチューナーでは、かえってチューニングしづらいのだろうと思った。

 かつて、チェロ奏者のヨーヨーマはステージでチューニングはしない、と言っていた。
 ステージの上で変な音を出して合わせても、どうせ狂ってしまうから、という理由からだ。
 多分ギターのようなフレットのない作音楽器は、基本的に、無意識に瞬時に音を探って出している。調弦が少し狂っていても開放弦以外なら修正して演奏ができるのだと思う。
 ギターの調弦が狂うと演奏中に素早く糸巻きをねじって修正する人もいるが、ギターはピアノのように演奏中には調弦することができない。
 管楽器はもっと変化する。息圧によって半音くらいは音が変わる。ナチュラルホルンに至っては唇の操作だけで演奏する。
 管楽器も温度によって音が変化するので管の長さを調節して演奏前にはチューニングをする。
 中学の頃吹奏楽部でチューニングをしている時に唇の締め方を変えるなとよく言われた。無意識のうちに音源に合わせようと唇を操作してしまうのだ。
 このような楽器の奏者にとってチューナーを使って常に音を合わせるのはかえって面倒なのだろう。

 オカリナもこのような作音楽器の一つである。
 しかもオカリナは、チューニング機能を持っていない。
 オカリナの中に棒状のものを差し込み出し入れすることによって、内積を変えるものを見たことがあるが、多分、内積の変化にともない指孔の大きさも変えなければ正確な音程はとれないので、普及しなかったのだと思われる。
 したがって、オカリナは、息圧の変化だけで、音を合わせる。

 オカリナのチューニングについてはまた……。
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ミニコンサートとチューナー

 2月20日
 昭島市の茶房木‐木(もくもく)でのじらギター重奏団の第1回ミニコンサート
 小さな茶房の中は人でいっぱい。しかし、ギターの音がよく響く。本来クラッシックギターというものは、このような小さな空間で 演奏するものだったのだろうと思う。
 6月18日に第2回のコンサートが決まっている。このような場所でコンサートがまたできるのはとてもうれしい。コンサート後のおいしいケーキやコーヒーも楽しみ。
         茶房木-木ミニコンサート

 さて、この日の朝、リハーサに行く途中、チューナーを忘れてしまったことに気付き、家まで引き返そうとしたが、遅れるとメールしたら、くーちゃんが2個持っているというので直行。
 いつも全く使わない音叉がギターケースの中に入っていてチューニングできないわけではないが、引き返そうと思ったのはチューナーなしのチューニングに不安があったからかだ。
 かつては、チューナーなど使ったことがなかった、というかそんなものはなかったのだ。
 チューナーが巷に現れても高価で、今のように使い勝手がよくなかった。
 ギター専用の直接ギターに装着するチューナーが表れてからは、僕もこれが手放せなくなってしまった。
 現在ほとんどのギターリストが、演奏会場でもこのチューナーを使っている。
 チューナーとチューナーを使わないチューニング、どこが違うかといえば耳を使うかどうか、ということ。
 チューナーを使わない場合、音叉や正確に合わせた他の楽器の音(普通はAの音)を聞いて、その音に自分の音を合わせていく。 ギターなどの弦楽器は、Aに合わせた弦から他の弦の音を出し同じ音が出るように調弦する。この作業は、同じ高さの音が出ているかどうか、耳で聞いて判断するのだ。チューナーはこの作業を機械が視覚化する。音を全く聞かないで調弦ができる。
 ギターを始めた頃、調弦はギターのテクニックに見合ったものだと言われ、難しい作業だった。耳を鍛えなければできないものだったし、この作業によって、耳も鍛えられたような気がする。

 チューナーを使うチューニングと使わないチューニングどちらが正確か、と言われれば多分、鍛えられたいい耳を持っている人の方が今のところ正確かもしれない。機械はまだ人間の感覚はを超えていないと思う。
 ピアノの調律師がチューナーを使っているのをほとんど見たことがない。音叉1本だけを頼りに倍音の響きのなかから次の音を聞き出すという鍛えられた耳は、チューナーよりも正確なのかもしれない。
 我が家のピアノの調律をお願いしているOさんは、調律師として一人前になるにはやはり10年くらいかかるだろうといううことだった。
 ギター用チューナーしかし、どちらが楽かといえば、ずっとチューナーの方が楽だ。温度変化によって変化し続けるギターの弦の調弦はステージの上でも行わなければならない。チューナーが欠かせなくなった。
 ところが、ギター以外ステージでチューナーを使うバイオリンなどの弦楽器奏者を見かけない。
 それは何故か、この続きはオカリナのチューニングともに、また考えたいと思う。


オカリナづくりの隙間に

  演奏会や、オカリナの制作が立て込み、釣りに行く予定を立てると潮回りや天候が悪く、また魚が釣れる時期でもないので、今年に入って、まだ一度も釣りに行っていない。
 つまり、まだ初釣りをしていないということになる。
 考えてみると、こんなことは釣りを意識的に始めてから一度もなかった。
 釣れそうもない釣り場へ無理をしていく情熱がなくなったのかもしれない、というより、いい釣りをする条件がそろわなければ釣りに行こうとは思わなくなった。何でも釣れればいいという釣りはもういい、と思うようになった。

 その代わり、オカリナづくりの隙間に釣り具を作っている。
 実際の釣りと同じくらい、ルアーやフライを作るのが好きかもしれない。
 今制作しているのは、シンキングペンシル。
 かつてミノー(小魚を模したルアー)づくりに情熱を燃やしていたことがあったのだが、リップの作成と装着、スイムテストに失敗が数知れず、バイブレーションや、メタルジグしか作らなくなった。
 ところが、かつて失敗し、オブジェよろしく棚の上にあったミノーのリップをとってみるとシンキングペンシルとして充分使える。
 リップ作成装着の煩わしさがなければまたミノーを作りたくなった。つまりリップレスミノーを作ることにしたのだ。
 シンキングペンシル  ペンシル

 ミノーづくりに欠かせないアルミに鱗模様をつける方法、ヤスリにこすりつけたり、千枚通しで線を引くなどしていたのだが、もっと短時間でうまくできる方法はないかと思っていた。
 そんな中ホームセンターで、長ネジを見てひらめいた。これをアルミの上で押しつけて転がせばきれいな鱗模様が作れる。
 なんといいことを思いついたのだろうと、悦に入っていたのだが、その方法はネットにすでにアップされていたことを後で知った。
アルミの鱗模様 シンキングペンシルの制作
 オカリナづくりもそうだが、自分だけが思いついた、と思っているものでも同じことを考えている人は案外いるようだ。

ボランティア演奏

2月11日
 三鷹のデイサービス施設で、くじらギター重奏団のボランティア演奏
 1月16日のステップ・アップ・コンサート以来の演奏会。

 約1時間の演奏。オカリナは2曲を演奏。
 温かい拍手をいただき、アンコール2曲を演奏。
 いつものことながら、充分に満足できる演奏とはいかなかったけれど、そこそこの演奏はできたのかも…。

 演奏会がうまくいくかどうかは、ステージは観客が作る、という言葉もあるように、演奏家だけの問題ではないと思うが、他にも様々な演奏前の様々な事柄が影響すると思う。
 今回は、スタッフの皆さんの対応がよかったせいか、とても気分よく演奏できたような気がする。
 様々な人に助けられてはじめていい演奏ができるのだと思う。

 次回の演奏会は、2月20日木木茶房で、練習、練習。

       三鷹ボランティア演奏会

土の子守り

 オカリナの最低音を決定するのは、内側の空間の体積。これを作るのによく使われている方法は、型取りをしたオカリナの内側の粘土くりぬいて、その粘土の重さを量るというもの。
 しかし、僕は石膏の外型の中にたたら(板状にした粘土)を入れて、素焼きの内型を押しつける、という方法をとっている。重さよりも体積の方が正確だと思うからだ。
 たたらの厚みを調節することによって、微妙な内積を調節することができるので、データーをとって0.5m利単位で、たたらの厚さを調整している。
 オカリナの考案者ドナーテは、木の内型を使い外型に内型を木槌で、打ち付けて、正確な型を取っていたらしい。
 それでも正確な最低音ができないことがある。原因は、またしても粘土の乾燥収縮である。
 型取り形成した時点の粘土の水分量が収縮率を決めるので、水分の多い粘土で形成した場合音は高くなり、乾いた粘土を使った場合低くなる。

 かつて、木版画の制作をしていたが、浮世絵などの水性絵の具を使った版画は紙を湿して刷る。均一な一定の湿しを維持しながら刷りをしなければ、色むらができうまく刷れない。また、何版も重ねる多色刷りの版画は、紙の伸び縮みによってずれが出てくる。
 紙の湿しを一定に保つことを、紙の子守りをする、と言う。

 粘土の水分量を一定に保つために湿した布を敷いたタッパーウェアーやビニール袋に入れたり、湿しすぎた場合、乾いた新聞紙の上にたたらをのせたりしている。
 形成時や最後の磨きの時にも粘土の硬さは重要だ。そしてこれらすべて、経験と勘にしか頼れない。
 まさに土の子守りをしなければならないのだ。

 乾燥したオカリナの最低音がくるっている場合には、小さなものは作り直したほうが早いのでやらないが、大きなオカリナは、もう一度湿し、割って、つなぎ目を音が低い場合は削り、高い場合は粘土をつけ足して、やり直すことがある。
 乾燥したオカリナに湿した布を巻いてビニール袋などに入れて、湿していくのだが、ゆっくりと少しづつ時間をかけて、湿していかないとばらばらになってしまう。焦りは禁物、ゆっくりと見守る、ここでも子守りが必要なのだ。

今日も調整

オカリナ メモ 今日は音割れに加えて音が抜けない。歌口を小さくすると音が抜けなくなるので、フォルムを崩さないように少しづつ大きくしていくとさらに症状は悪化。
 今度は小さくする。
 乾燥したオカリナを削るのはそんなに難しくないが、肉付けして形を整えるには時間がかかる。
 しかし症状は改善しない。様々な場所に手を入れてみるが駄目。
 廃棄かなと考えてしばし、考え直してみる。
 ……考えられるのは、ウインドウエーとリップの角度があっていないのではないということ。もしそうならリップの細かな修正では直らない。

 昼食に帰宅し、ゆっくり図を描きながら考える。焦るのは禁物。

 工房に戻り、吹き出し口の縦の壁の角度を変えてみると、予想通り音が抜けるようになった。ひとまず、よかった。
 しかし、ここで安心してはいけない。
 何度も吹いているといい音がしているのだと錯覚することがよくがあるからだ。

 今日も一日この作業で終り。
 明日、吹いてみてのお楽しみ。
プロフィール

森秀文

Author:森秀文
多摩美術大学絵画科卒
長く木版画の制作にいそしむ。
1991年頃よりオカリナの制作を独学で始める。
オカリナ演奏を山本千恵子に師事。
ギター演奏を長谷川郁夫に師事。
現在「くじらギター重奏団」メンバー。
ルアー・フライフィッシング、野菜の栽培も行っている。

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