よい楽器とは

 オカリナを制作していて、仕上がった、オカリナを自分で吹いていて、 決して自分では納得のいく音がしていないのだが、他の人が聴いたら、いいものだと言ってくれるかもしれない、という浅はかなことを考えることがある。
 また、失敗したオカリナを何とかいい音を出そうと調整を繰り返しているうち、良くなったと思い、他の楽器と吹き比べてみると、やっぱり駄目だ、ということも多い。相対的に良くなった音をいい音だと勘違いするのだろうか。
 オカリナは、形成時、乾燥する前にはいい音がすることが多い。名器ができた、と思うのだが、必ず乾燥すると駄目な音になっている。
 乾燥による収縮とゆがみのせいなのだが、時間の経過で、自分の作ったオカリナにに対する思いが客観的なものにる、ということも全く考えられないことではない。
 自分が吹いている音を客観的には聞くことができないので、もしかしたらいい音が出ているのではないか、という希望的な想像をしてしまう。

 ひぐらしオカリナの鈴木さんが面白い実験をしたという。
 自分の作ったオカリナを4種類各4本づつ並べて、展示し、見に来た人たちに試奏してもらい、4本の中で一番いい楽器だと思うものを選んでもらう。一番多く選ばれた楽器は抽選で選んでくれた人に差し上げる、というもの。
 あらかじめ鈴木さんが一番いいと思ったものと、選ばれたものはすべて一致した、とのこと。
 つまり、自分がよくないと思っている楽器をいいと思ってもらえる可能性は限りなく低い、ということだ。

 何年か前、NHKの番組で、N響のフルート奏者金田氏が木管のフルートと金管のフルートを吹き比べて聞かせ、あんまり聞こえる音は変わらないでしょう、でも吹き心地は全く違うのです、と言っていた。
 バイオリニスト五嶋龍は名器のことを、努力しないでもいい音が出る、と表現していた。
 楽器を演奏する時、オカリナならば、高音域が抜けるように角度を立てて吹いたり、息圧を調整したりして、自分が出したいと思う音を頑張って出すわけだが、そのようなストレスを感じさせずに、自分の思た音が出せる楽器がいい楽器、と言えるのではないだろうか。

 楽器の音の出始め部分と終息部分を切り取り、真ん中の部分だけを聞かせると何の楽器なのかほとんど分からなくなるという。
 音の出し始め,ここに音の特徴が出る、ということは、その部分に音の良し悪しがかかっているのではないかと思う。つまり、操作性のいい楽器がいい音を出す、ということだ。
 操作性のいい、吹き心地のいいオカリナは、結果として演奏者の気持ちにも影響を与え、いい演奏にもつながる。
 自分が吹いてみて、吹き心地のいいオカリナでなければ、いい楽器ではないということだ。
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オカリナ忘れた!

 今日はくじらのくーちゃんと二人で老人ホームでボランティア演奏。
 控室に入り、リハーサルの準備。ギターを出し譜面台と足台を出し、オカリナをバッグから…???オカリナがない!
 自宅に忘れてきてしまった。
 自分の馬鹿さ加減にあきれている暇はない、取りに帰るにも持って来てもらうにも、もう時間がない。
 オカリナを、ギターで演奏する以外に成す術がなく、7曲のうちオカリナで演奏する予定だった5曲を急遽ギターで弾いてみる。
 簡単な曲だったので、何とかなりそう。でもほとんど初見状態で、本番。
 トラブルが全くなかったわけではないが、何とか演奏を終えることができた。
 何とかしなければ、という気持ちでいっぱいで、あがっている余裕?もなかった。
 老人ホームにふさわしい選曲だったせいもあり、懸命さが伝わったのか、アンコールの声が出、用意していなかったので、弾いた曲の中から1曲演奏した。
 控室に戻り、出されたケーキを食べながら、くーちゃんと大したものだ、とほめあった。
 なりふり構わず純粋に演奏に集中できた結果ではなかったと、怪我の功名を喜んだのだった。 

逆仕事場訪問 Thousand Leaves

 鈴木のぼるさんの仕事場を訪問した午後、Thousand Leaves千葉稔さんの仕事場に鈴木さんと一緒にお邪魔する。
 実家の離れにあるという仕事場は、かつてお祖母様が暮らしていた建物、とのこと。
 システマティックに整理された配置の仕事机と、乾燥中のオカリナ、これは?と聞くと、廃棄するオカリナ、とのこと。
      製作中の千葉さん     廃棄予定の千葉オカリナ
           製作する千葉さん             廃棄予定のオカリナ
      焼成前の千葉オカリナ     宗次郎のオカリナ
           焼成前のオカリナ             宗次郎のオカリナ
 机の横には、乾燥前のG管が7個並べられていて、1日で製作した磨き前のオカリナだという、1日で7個も…鈴木さんとびっくり!。
 大岡越前ブログの制作動画を見るとその手際の良さが分かるので、納得はするものの、僕の場合は通常1個、多くて3個といったところなので、この数は驚異的である。
 その後3人で、製作についての様々な問題について話し合った後、歌口の大きさと吹き出し口の大きさ、内容積の関係で、いい音ができるかどうかの90%以上が決まるのでということで、意見が一致。
 長くオカリナ製作にかかわっている者にとって、問題はほとんど共通したものだった。

 その後、千葉さんが最も影響を受け、心酔していると思われる宗次郎のオカリナをネットオーックションで手に入れた、と見せてくれた。かなり高額だったらしい。
 指孔を削った跡があるので、聞くと自分で吹くために調律した、とのこと。吹かしていただいたが、やはりというか当然宗次郎の音がした。
 そして、オカリナの墓場を見せてくれる、というので、仕事場の外に出る。実家のデッキの床下に膨大な量のオカリナが折り重なるように捨てられていた。オカリナの墓場をのぞく千葉さん

 何度も繰り返し繰り返し、すべて廃棄したくなる衝動に駆られながら、僕もまた製作している。
 鈴木さんは言う。自分のオカリナは、すべて試作品です、と。会心の作は、と聞かれて次回作だ、といつも答えていた画家がいたけれども、製作について真剣に取り組めば誰しも同じような気持ちになるようだ。                           オカリナの墓場と千葉さん

 千葉さんのお母様に畑でとれたシシトウをいただいて、道に落ちていた山栗を拾って(千葉さんの仕事場は栗が拾えるほどカントリーサイドなのです)鈴木さんとともに千葉さんの仕事場を後にした。
 

逆仕事場訪問 蜩オカリナ

雑誌Ocarinaの仕事場訪問の取材で来ていただいた鈴木のぼるさんと千葉稔さんの仕事場をこちらから訪問したい、とお願いしたところ、こころよく引き受けてくださり、お二人の仕事場に行ってきた。
 鈴木さんの仕事場に行くと千葉さんもすでにいらしていた。
タナゴ竿
 釣り好きの僕に最初に見せてくれたのは、鈴木さんが製作されたタナゴ竿。
 タナゴ釣りというのは、江戸時代から始まった大きさを競うのではなく小ささを競うという、とても変な釣り。
 指先に乗るほどの魚を極小の針で釣る。粋を絵にかいたような釣りで、竿、道具入れなどにこだわる。そのこだわりのある竿を、手作りされているとのこと。フライ、ルアーと同じように釣ることそのものよりも、いかに釣るか、ということを鈴木さんも楽しんでいるようだ。右上に光っているのは百円玉右端の筒は、竿ケース、漆塗り仕上げ。
 鈴木のぼるさん その後 鈴木さんはオカリナの制作過程を一通り実際に作って見せてくれた。独自の接着方法など全て教えていただき、ウインドウエーのヘラ作りに使っているという、鰹節削りを見せていただいた。これだと0.1mm単位の削りりができるという。


 高音域2管オカリナ それから三人で、たのしくオカリナ談義。まだダブレット(2連管)や、トリプレット(3連管)が出回る前に作っていたという高音域1音や半音だけのダブレットを見せてくれた。トリプレットのように3オクターブも必要だとあまり思わないけれど、あと1音高い音があれば、と思うことは、しばしばあるので素晴らしいアイデアだ、と思う。デザインもとてもいいと思った。

楽器について

 ギター
 今使っているギターは、1963年に制作された、ベラスケス。ベラスケス自身の手になるものではなく、工房作品らしい。
 くじらギター重奏団での演奏をしていて、自分の使っていたギターの音が、他のメンバーのギターに比べて、音が出ていない、と何度も指摘され、3年前に自分にとっては高価なこのギターを購入した。
  低音、高音ともによく響き、音の伸びが素晴らしく、弾き心地も申し分ない。弾きこむにつれ、ますます音がよくなってくるような気がする。
 このギターを使うようになって、弾弦法も爪の手入れも丁寧になった。というのは、この楽器が弾き方に敏感にに反応してくれるからなのだ。つまり以前使っていたギターは、良い弾き方をしてもよい音が出なかった、ということ。
 バイオリニストの五嶋龍は、ストラディバリウスについて、「努力しないでもいい音が出る」千住真理子は「楽器がいい音を出してくれるので…」と言っている。
 演奏家にとって、楽器はテクニック以上の価値があるものなのかもしれなれない。

  ベラスケスとC管
ギターとオカリナ


 オカリナ
  オカリナ製作者としてこのような、楽器を作ることができているかといえばまだ道半ば。この楽器がいい音を出してくるれるから演奏したくなる、というようなオカリナを作りたい。
 低音から高音まで、きれいな伸びのある音が出るオカリナを作ろうと、日々奮闘中、といったところだ。
 ギターの製作では表面板へのサンドペーパーのひとこすりで、音が変わってしまうという。
 以前にも書いたけれども粘土を、0.1mmの制度で、形成するのは、20年以上製作していてもむずかしい。
 一般に言われているC管高音部の問題は、自分もまだ完全に解決できているわけではないが、解決策は、精度をあげる、ということだと思う。特に歌口周辺の形成はもちろんだが、オカリナ内側の形成の精度を高めなければならない、と最近は思っている。

  内側の形成を終えた接着前のC管オカリナ
接着前のオカリナ

 

苗の植え付け

 長雨
 長雨の合間を縫って、苗の植え付けなどの畑作業をしている。
 忠類川サーモンフィッシングから戻ってみると、長雨のせいか白菜の苗は全滅してしまい、ルバーブもアスパラもまだ枯れる時期ではないのに枯れてしまった。
 白菜の種まき時期は短く、これから播いても結球しないので、ホームセンターで買った苗を植え付ける。残念だけれど、苗半作、つまり半分は人の手で育ててもらうことになる。
 ブロッコリーや、キャベツも今年は青虫の食害にあい、持ち直したものの元気がない。

      ブロッコリーの植え付け                キャベツの植え付け
ブロッコリー植え付け  キャベツの植え付け

        枯れた白菜の苗                    買った白菜の苗
枯れた白菜苗  買った白菜苗
                              
                              大根の間引き。一か所2本にして土寄せを
       白菜の植え付け             する。しないと曲がった大根になる。            
白紙植え付け  大根間引き





 

カラフトマス

 忠類川で、最終日に釣った、雌のカラフトマスが今日届いた。
 パンパンに張った腹を裂いて、イクラを取り出し、さばく。
 今日の夕食は、カラフトマスの塩焼きとアラ汁。
 夕食後イクラの醤油漬けを作る。食べるのは、明日から。
 カラフトマスは、北海道以外ではあまり知られていない魚だけれど、標津など地元の人は、鮭よりもうまいという人が多い。
 ただ、川に遡上し始めた魚は、イクラや、白子に栄養を取られてしまい味は海でとれる銀ピカの魚に比べると落ちるようで、特に雌の肉は脂があまりのっていないようだ。だから、料理としては油を使うムニエルやフライがいいのではないかと思う。

  腹パンパンのメスのカラフトマス55㎝
カラフトマス ブログ用

  腹を裂くとイクラがこの通り
イクラをとる ブログ用

                               人肌の塩湯で洗い1時間ほどすると
                               美しいイクラになる          
                               これに醤油と酒味醂を入れて漬け込み
     とりだしたイクラ                イクラの醤油漬けを作る
採ったイクラ  洗ったイクラ



忠類川サーモンフィッシング

 逆転サヨナラホームラン
 今年も9月7日(月)から12日(土)まで北海道標津町を流れる忠類川のサーモンフィッシングに出かけた。今年で5年目をむかえる。
 なんといっても今年は、台風17号と18号の真っ最中に当たってしまい、1日目から3日目までは釣りができたのだが、4日目の木曜日は、管理棟の定休日で、釣りができず、知床の海に出かけた。しかし、風が強くて、1時間ほどしか竿を出さず釣果もなし。
 5日目は台風が通過したため川止め。
 1日目から、3日目までの釣果は、雌の鮭71㎝1匹。あとは、ホッチャレ(産卵の終わった魚)カラフトマスが、5匹スレ掛かりしたのみ。
 6日目、帰京する日、快晴になったけれど、多分水量があがって川止めだろうと思っていたところ、雨の量はさほどでもなかったらしく、3時間半ほど釣リができた。そして、今まで釣った魚の中で一番大きな80㎝6.3㎏の雄の鮭を釣り上げることができた。この日は、フレッシュな雌のカラフトマス55㎝も釣ることができ、逆転サヨナラホームラン、といった感じで、興奮冷めやらぬ中、機中の人となった。

                 80㎝6.3㎏の鮭 この鮭もとんがり君で釣った。
      80㎝鮭ブログ用 
この魚がヒットた時近くで見ていた、地元ベテラン釣り師の方が、すぐさま大物と見抜いたという。しかしラインがリールに絡まって、もたもた、その方は思わず「下手!」と言ったそうだ。お世辞にもうまい取り込みではなかったが、バレなくてよかった。

 尻尾が溶けて、腹のへこんだホッチャレカラフトマス        
スレ掛して一応ファイトはするが釣っている気はしない。          
ホッチャレマス ブログ用
  腹パンパンのフレッシュカラフトマス。 
カラフトマス ブログ用

  知床の河口釣行
 知床のこんな小さな川にもサケやマスが遡上する。写っているのは、今回も泊めてもらい、お世話になっているSさん。
 でも忠類川など特定の川以外では川でサーモン釣りをすることは禁止されている。
白石さんと川 ブログ用  川のサーモン ブログ用
                               鮭とマスがいるのが見えるかな

 知床の河口の海で竿を出すSさん 台風が接近し、風が強い。
白石さんと海 ブログ用

  
 知床ルサ川の河口で、竿を出そうと海岸に降りていくと、先行の若者が、熊が出ました、とのこと。
 忠類川でも知床でも熊はしょっちゅう出没しており、熊鈴やベル、ホイッスルは必需品。同行のSさんは熊スプレーを携行している。



苗半作

 苗半作という言葉を知っているでしょうか。苗作りがうまくいくと半分作ったのも同じ、という意味らしいです。
 また、一種二苗、という言葉もあります。いい作物を作るには、一番大切なのは種、2番目に大切なのは苗、ということらしい。
 初期生育がうまくいかないといい作物はできません。人間も三つ子の魂百まで、なんていうように、幼児体験が人生を決定的に左右するらしいです。

先日播いた大根が発芽しました。
大根発芽


 一月以上前に播いたキャベツの苗。青虫がついて、一時ほとんど葉っぱがなくなりましたが、何とか持ち直しています。
キャベツ苗


 こちらは白菜の苗。長雨のせいか、成長点の葉が枯れてしまいました。何かの病気かな?持ち直してくれるといいのだけれど…
白菜苗
 苗作りは、このように結構むずかしいものです。

 そして昨日、サニーレタスとサムチェが発芽。
 この時期のレタスのは、湿した種を2日間冷蔵庫に入れてから播きます。濡れた小さな種を播くのは、種がピンセットや指にくっつき、大変!
 双葉の段階ではサニーレタスとサムチェの区別が全くつきません。
サニーレタス苗 サムチェの苗

 以前サーモン科学館で鮭の仲間の、ニジマス、イトウ、ヤマメなどの稚魚を見たことがありますが、どれもほとんど区別がつきませんでした。
生まれたばかりの時はみな同じに見えるのに、DNAと生育環境によって大きく変わってくるのは、植物や魚ばかりでなく、生き物全般に言えることなのかもしれません。

仕事場

 オカリナの制作は、国分寺駅の近くの司アートシティーⅡというビルの部屋で行っています。
 MORI OCARINA工房と名付けていますが、長く美術にかかわっていた関係から、自分自身は、アトリエに行く、という言い方をします。
 この仕事場に、ひぐらしオカリナの鈴木さんとThousand Levesオカリナの千葉さんが来てくれました。
 アルソ出版から出ている雑誌Ocarina vol.14に連載している「仕事場訪問」の取材に来てくれたのです。
 オカリナ製作者同士とても楽しい時間を過ごすことができました。詳しくは、いま発売中のOcarina vol.14にほのぼのとした鈴木さんの文章で、記載されています。

雑誌Ocarina vol.14
オカリナ表紙

仕事場訪問の記事
仕事場訪問

仕事場の写真 この机で、オカリナの制作を一日中しています。
仕事場
プロフィール

森秀文

Author:森秀文
多摩美術大学絵画科卒
長く木版画の制作にいそしむ。
1991年頃よりオカリナの制作を独学で始める。
オカリナ演奏を山本千恵子に師事。
ギター演奏を長谷川郁夫に師事。
現在「くじらギター重奏団」メンバー。
ルアー・フライフィッシング、野菜の栽培も行っている。

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